群大病院、職員研修講師に医療事故遺族ら

先日、インターネット上のニュースで次のような記事を目にしました。

 

【産経ニュース 2017.1.10】

http://www.sankei.com/life/news/170110/lif1701100026-n1.html

 

群馬大学病院で同じ医師による腹腔鏡手術等を受けた患者さんが相次いで死亡していたことが判明したという事件が報道されたことは、まだ記憶に新しいところです。

群馬大学病院ではこの経験を踏まえ、病院職員の研修のために他の医療事故で亡くなった患者さんのご遺族を講師に招いた研修を行っていくとのことです。

事件そのものを決して軽視することはできませんが、それに目を背けることなく、医療事故に遭われた患者さんやご遺族の気持ちや考えを知る機会を設けるという姿勢は、評価されてよいものと思います。

 

言うまでもなく、医療は医療者と患者の協同で作り上げられるものです。

そうである以上、医療安全もまた、両者の協同によって文化として根付いていくものといえます。

「医療側」「患者側」という二項対立で切り分けてしまうのではなく、両者の交流の中でこそ、より良い医療が作られていくのではないでしょうか。

 

今回の群馬大学病院の取り組みが、やがては医療安全文化として力強く根付くことを大いに期待したいところです。