過程がわかる説明を

群馬大学病院で同じ医師が執刀した手術で、患者さんが相次いで亡くなっていたという問題について、新たな報道がありました。

 

【共同通信 2017.7.31】

https://this.kiji.is/264498732904367607?c=110564226228225532

 

7月30日、病院側が遺族らに対して説明会を開催したということです。

この説明会の場には、執刀医であった男性医師とその上司にあたる元教授も立会い、男性医師らから直接説明がされたようです。

 

医療行為を受けた中で何か好ましくない結果が起きてしまった場合、しばしばこうした説明会が開催されることがあります。

ときには病院側から自発的な提案がされることもありますが、多くの場合、患者さんやご遺族の側から説明会開催の要請がされたことを受けて開催されているように思います。

報道で紹介されている説明会も、遺族らの求めに応じた形となっているようです。

 

こうした説明会は、患者さんやご遺族と当該医療者側との対話の機会ともなり、大変有意義なものだと思います。

私自身、以前に担当させていただいた事案で、報道にあるのと同様、執刀医の方が直接説明会の場に臨んで術中の経過や率直なお気持ちをお話いただけたことで、早期解決を見ることができたという経験もあります。

 

説明が行われる上で大事なことは、事実に即した説明が行われるということだと思います。

患者さんの主訴、他覚所見、検査結果などの具体的事実を、医療水準として確立された医学的知見にあてはめるとこういう評価になる、その評価を前提にすると次はこういう手順を取ることになる・・・という形で、ひとつひとつの事実を追って論理的な説明がされることが重要なのです。

当該事象が起こるに至った過程(時に実際に医療を行った医師の思考過程である場合もあります)がわかるような説明であれば、患者さんやご遺族としても、なるほどそういうことが起きていたのかと理解することができます。

 

せっかく実現した説明会が意義深いものとなるためにも、スタンダードな医学的知見を踏まえつつ、具体的事実に立脚した説明が行われること願っています。